2008年5月21日水曜日

論文受理、大西洋そして実験

昨日の事になる。昨日は、晴れ。今日は晴れ曇り。

朝職場でメールチェックをすると、Physical Review Eに投稿していた論文が受理された、との連絡が来ていた。この論文は、スピンエコー法を使った新しい解析法について議論したものだ。方法論のアイディアは確か2002年に得ていた物で、それを証明して論文にするまでにおよそ6年の歳月を要した、という事になる。時間はかかりすぎた感があるが、内容には満足している。去年の論文(小角散乱の新しい解析法)とこの論文は自分にとっては意味のある論文になるであろう。

まだ実験は続いていて、昨日は僕の小角実験を始める番だった。朝ZY君の実験終了後、試料をセットし夕方まで測定を続けた。試料をセットし終わった頃、古賀さんがやってきた。スピンエコーと小角の実験の打ち合わせをして、昼食。昼食後、夕方まで自分の測定を続けて、測定条件を変更10時間程度の測定をかけた。

ここからが本日のメインイベントで、「大西洋に本日産卵にやってくるカブトガニを見学すべし」というテーマのもと、家族と、日本から来ているS君で、デラウェア州のビーチまでドライブして行った。片道およそ3時間の道中である。カブトガニは、英語ではHorseshoe crubと言います。形が馬蹄に似ているからでしょうか。それが、5月頃の満月の満潮時に産卵の為に海岸に現れる、というのです。ここ北アメリカの大西洋岩は沢山のカブトガニがやって来る事で有名なのです。今回の計画は以前、このカブトガニを見に行った、というKさんの助言で成り立っています。Port Mahonという海岸か、Slaughter Beachという海岸が見所だ、という情報を仕入れ、満潮時刻の11時前には到着すべく、午後7時頃には高速道路の上に。3時間弱で現地(Slaughter Beach)に到着。でも、日本と違って、ビーチは見える訳ではなく、ビーチ手前にある沢山のリゾートホームの向こう側の海岸に行かなければなりません。それを知らない我々は、ひたすらドライブして海を探す訳ですが、見つからない。何度か道に迷ったあげく、どうにか海岸にたどり着きました。そこで見た物は、カブトガニの死骸、カブトガニの割れた甲羅、など。。。カブトガニがこの海岸に来るのか、それとも死んだ物が流されて来るのか定かではありません。生きたカブトガニは結局見つけられませんでした。そこで、以前の目撃情報のあるPort Mahonを目指して北上。満潮時刻頃にはその近くまでやってきました。ところが、その海岸へ行く道を見つける事が出来ません。そこで、方針を変更し、道路を南下しつつそれらしい海岸に立ち寄ってみる、という作戦に変更しました。3つ目の海岸です。Bower beach(だったかな?)に行って海岸線を見たときです。カブトガニが、生きたカブトガニがいました。子供達をすぐに呼びに行き、皆で観察しました。生きたカブトガニが産卵の為に海岸線にやってきて働いている姿を目の当たりにし、感激しました。長男はカブトガニを平気で捕まえて遊んでいました。他の子達はおそるおそるカブトガニに触れていた、あるいは眺めていた、という感じです。でも、往復6時間程度をかけてやってきたかいがあって、カブトガニを見る事が出来ました。写真は後日アップします。

帰り道、車の中では全員就寝。僕はというと眠い目をこすりつつ、ひたすら自宅を目指しました。途中2度程一瞬落ちましたが、なんとか無事帰宅出来てほっとしました。

そして、職場へ戻り、朝までの測定をかけて本日の業務が終了しました。最終的に帰宅したのは午前4時を回っていました。そして、朝9時には職場へ復帰して次の測定準備をした訳です。

その後も、小角散乱実験、スピンエコーでの磁場実験準備、開始、と丸一日働きました。眠かった。

そして、受理された論文について図の修正を依頼されているのだけれど、未だに一つも修正出来ていないというわけです。明日には修正出来るといいな、と心から思っています。

6年越しの論文受理、カブトガニとの遭遇、実験の無事の終了と、昨日と今日は充実した日となりました。

0 件のコメント: