2008年11月29日土曜日

帰米

ドイツを離れてアメリカに帰ってきました。インドであったテロの影響でしょうか、セキュリティチェックが厳しかったです。

朝、タクシーでミュンヘン空港へ。モロッコ出身の運転手は色々と日本のことアメリカのことを聞いてきました。特に、彼が熱かったのは、新しい大統領のこと。ブッシュはカタストロフだったとか、過激にしゃべってました。アラブの人には納得できないことが多かったようです。

さて、空港についてチケットを受け取るところ。おばちゃんがパスポートを見ながら、何しに来たのか、アメリカで何してるのかと沢山聞いてきます。ドイツで滞在したのはどこだ?ときかれ、研究所の名前を答えたら、ホテルはどこだ?と。どこどこのホテルだと答えたら、その証拠を見せろ、と。レシートを探し出して見せたら、研究所に行った証拠を見せろ、と。そんなものプリントして持ってませんよ。ホテルの手配をしてくれた研究所からのメールをプリントして持っていたのでそれを見せたら、これだけか?と。失礼だなぁ、と思いながらも、まぁ、納得してくれたようです。そして、今度はアメリカでは何をしているのか?と。某研究所で働いてます。インディアナ大学の雇用です。ビザはH1Bです。と。ビザスタンプも貼ってあるのに、インディアナで働いてる証拠を見せろ、と。インディアナ大のIDなどは発行されておらず持っていないので、そんなものはない、と答えたら、通してくれない雰囲気。。。まじですか?H1Bビザのアプローバルのコピーを持っていたのでそれを見せたら、何とか納得してくれました。それにしても、失礼なおばちゃんでした。後で分かったことですが、僕の後ろにいた女性は日本人とドイツ人のハーフだったのですが、アメリカ国籍も有しているそうですが、名字が「Hama」なので、ハマスとの関連を疑われたそうで、なかなか通してもらえなかったそうな。テロなどで危険があってきちんと調べる必要があることは分かりますが、言われも無い疑いをもたれるのはいい気がしません。少なくともそういうチェックをする人はものの分かっている人にしてもらいたいものです。

もうひとつ面白かったのは、アメリカの入国審査。税関申告書類にサインを書きますが、僕は漢字のサインをずっと使っています。そしたら、「次からこのサインは英語でしろ」というのです。サインなんて個人の勝手だと思うのだけど。。。で、「でも、僕のパスポートサインは漢字で、それをここに書いているのだからこれでいいんじゃないのか?」と聞いたら「Hmmm, it's interesting.」といいつつサインを比べて、「Good to go.」って。やっぱ、サインは漢字でいいんじゃん、と思ったしだいです。非を認めず「おもしろい」というところにアメリカ人のおかしみを感じました。

飛行機は順調でおよそ8時間でアメリカに戻ることが出来ました。上述の女性ですが、ヨーロッパで研究をしている人だそうで、いろいろとお話が出来てよかったです。日本人としてのアイデンティティを持っていて英語が使えることに感謝しました。英語を話せると世界中のいろんな人と話せるんですね。素晴らしいことです。しかも、地球の裏側で日本人としてのアイデンティティが生きているというのは素晴らしいことだと思いました。日本人として生まれたからには、日本語をきちんと習得し、日本人として英語も使えたら色んな楽しいことがあるんだな、と改めて感じた旅行でした。というわけで、子供らにも日本語をしっかり習得してもらいましょう、と改めて思ったわけです。

帰ってくる道々、ドイツに残るKM君のためにプログラムを一生懸命作って送信しておきました。その後、ドイツでの実験でトラブルがあったと聞きましたが、もはやKM君に頑張ってもらうしかありません。頑張れ。

2008年11月27日木曜日

leaving from FRM-II

今夜はドイツ滞在最終夜です。スピンエコー実験もまだ半分くらい残っていますが、KM君を残してHEさんと僕は一足先にそれぞれの国に明日帰ります。今回の実験は、FRM-IIの強度の強さを実感した日々でした。スピンエコーのデータもきれいに得られており、今回の実験がうまくいくであろうことを示しているように思います。安心して戻れます。KM君、残りの実験よろしく頼みます。

というわけで、最後の日記は写真を見ながらドイツ滞在を振り返ってみたいと思います。


到着したころは寒くて、雪も降っていました。一番積もったときで5cmほど積もったでしょうか。雪をかぶったFRM-IIです。このころは本当に寒くて、持ってきた防寒着をすべて着込んでいましたが、それでも寒かった。特に最初は小角の実験で徹夜などしていたので久しぶりにしんどい実験でした。でも、強度も実感できて充実した日々でした。


今日は快晴で気温は低いものの、きれいな景色が見られました。晴れの日のFRM-IIです。ちなみに、卵形に見える建物が古い原子炉で手前の平屋がガイドホールで、僕たちが実験をしていたところです。

さて、実験や解析を終えれば、後は町へ繰り出します。結局ミュンヘンに3回行きました。今日が最後で、食事と散策およびお買い物をしました。ミュンヘンの市庁舎前広場のそばに、ペーター教会ってのがあって、時計台の上に上れることがわかったので、上ってみました。一人1.5ユーロでした。狭い階段で結構疲れましたが、薄暮の中ミュンヘン市街を一望できてきれいでした。夕焼けの中、遠くアルプス山脈も見えて、遠くまで来たことを実感します。その塔のてっぺんから見た市庁舎です。


前回よりはきれいに撮れたのではないでしょうか。

今回の実験はこれにて退散しますが、また来て実験したい施設ではあります。また、この施設では、世界を代表する研究者と一緒に共同研究をしており、彼らのデータに対する態度や解釈の感覚など学ぶべきことが多い研究でもあります。今後解析を進める中でまたいろいろ勉強させてもらうこともできるでしょう。結果とともに楽しみなことです。

2008年11月25日火曜日

NSE実験

昨日からスピンエコーは溶媒の測定をしていました。今日は溶媒から分解能関数の測定に移りました。明日の朝から待望の試料の測定です。楽しみ。

今日は、午前中小角散乱の実験を終了し、後片付けを行いました。その後データ解析を行い、午後からはスピンエコーのセッティングを行いました。実験は定常状態に入ったので、少し余裕が出てきました。

というわけで、夕方からミュンヘンに夕食をとりに行きました。行ったのは前回と同じ場所。今回はソーセージとビール三昧。結局食べ過ぎていま少ししんどいです。帰りの電車はごった返していました。それもそのはず。途中駅にあるサッカー競技場で午後9時ころからサッカーの試合があるそうで、ミュンヘンっ子はこぞってそこに出撃するのでした。ビール片手にわいわい騒ぎながら競技場に向かうドイツ人を見て、この人たちは楽しんでるなぁ、と実感したというわけです。

2008年11月24日月曜日

SANS day two and NSE experiments at FRM-II

小角散乱の実験を徹夜で進め、朝最後の試料を装置にかけるところでした。装置責任者がやってきて、「後一日がんばってね」と。えっ!?

よくよく聞けば、小角は二日間アサインされていたのだそうです。それをがんばって一日で終わらせようとして徹夜までしたのですが、二日目も続けることになりました。さらに本命のスピンエコーも始まります。もう頭が回りませんが、KM君が頑張って試料調整をし、実験を続けることになりました。今お昼ですが、ホテルにいったん戻って仮眠です。うーん。当日こんな話になるとさすがにしんどい。でも、KM君はたくさんデータが取れるからうれしい模様。もちろん、それは僕も同じなのですが。なにしろ、眠い。

おやすみなさい。

2008年11月23日日曜日

SANS実験at FRM-II

日曜日スタート月曜日終了の一日のビームタイム。KM君もHEさんも張り切っています。それもそのはず、高分子のコントラストバリエーション実験で、試料調整に大変苦労したもので、ビームを当てて結果を見るのが楽しみで仕方ない。実験を開始してみてしばらくしてわかったが、ここの装置はかなり強度が強い。フラックスを見ても8乗の桁に近い値だ。実際、ビーム強度は強く、散乱強度の弱い試料であるにもかかわらず、質の良いデータが得られている。今回小角実験を行っているのは、ユーリッヒ研究所で長年利用されてきた小角散乱装置をミュンヘンに移設したものである。多くの日本人も親しんできた装置である。それがすばらしい装置となってミュンヘンで利用されているのである。その装置を使うことができて自分も幸せである。この調子で行けば、明日、月曜日からのスピンエコー実験も良いデータが得られるものと期待される。

夜中にコンピュータのトラブルが発生し、装置が制御不能となってしまった。復旧するのに1時間ほどかかったが何とか復旧できた。そして、予言どおり、徹夜の実験なのである。夜中になり、冷えるなぁ、と思ったら、外は雪。今夜は積もっています。

2008年11月22日土曜日

FRM-II実験準備とミュンヘン観光

今日は朝から雪が舞いました。雪の中FRM2に行き、KM君が中心になって試料準備をしました。

少し雪をかぶったFRM2です。

FRM2への入構は少々面倒で、正門でバッチをもらい、そのバッチをスキャンして通過しなければなりません。バッチをもらうために毎回サインをしなければいけないのです。ところが、パーマネントバッチ(写真つきのバッチ)を支給されるとその手間が省けます。昨日は残念ながら間に合わずにもらえなかったので、今週末はもらえないものと諦めていました。ところが今朝行ったら、僕の分はバッチができていたので、今後その手間が省けるようになり、ちょっとラッキーでした。試料調整のないHEさんと僕はいろいろ議論をしていました。午前中に試料の準備ができたので午後はミュンヘン市内に観光に出かけてきました。ミュンヘン市中心の市庁舎広場までは電車(U-BAHN)でおよそ30分。あっという間に到着です。市庁舎前の広場に出てみると、以前訪れたときの記憶が鮮明に蘇ります。見覚えのある建物や町並み。雪だというのに行きかう人はたくさんいました。

ミュンヘン市庁舎です。もう少しいいアングルで全体像を撮影できればよかったのですが、まぁ、とりあえず撮影した、という程度のものです。

われわれはというと、広場脇にある市場?商店街?に行きいろいろと散策をしました。何かおいしいものがないかと探していたところ、お魚屋さんの脇でサンドイッチを売っているのを発見。見てみると、なんだか酢漬けの鰯か何かがサンドされているではありませんか。興味心身でおよそ2ユーロで購入して一口食べてみると。。。やっぱり生に近いお魚は、ご飯でないと合いません!パンはおいしい。お魚もおいしい。でもハーモニーが今一。残念。と思いながら最後まで完食してみると、以外にも最後にはそのハーモニーがおいしいと思えるようになっていました。味付けが濃くなく、自然な風合いなのでうまく調和が取れているようです。その次に、ドイツといえば、ソーセージを食べるため近所のお店に。6ユーロほどでニュルンベルグソーセージのセットとコーヒーを飲み、温まったところで、今度はミュンヘンのランドマークといわれる、市庁舎脇の教会へ行きました。

この教会には、悪魔の足跡が床に残っているという伝説のある教会で、ちょうど悪魔の足跡に立つと、教会の中の窓という窓が一切見えない、という造りになっていて、なかなか興味深いものでした。

この写真のような感じで、柱がたくさん並んでいます。実際にはたくさんの窓があり、きれいなステンドグラスがはまっているのですが、教会の中にある柱の陰になるようにそれらの窓が配置されているから見えないのです。一歩中に入り込めばもちろん窓はよく見えます。

その後は、明日の徹夜小角実験のための食料買出しをし、市庁舎下の食堂でおいしいドイツ料理とビールを食べて、撤収と相成りました。帰りには雪が強くなり、明日は結構積もっているかもしれません。

明日からは本格的な実験。今日はしっかり眠れますように。

2008年11月21日金曜日

ミュンヘン

ドイツ、ミュンヘンに無事到着しました。

ユナイテッドの飛行機でアメリカからヨーロッパに移動した。しかも、目的地がミュンヘンで、ミュンヘンには2001年に一度来たことがあるので、初めて世界を一周した、ということになります。空港に降り立ってみたらその事実に気がつき、少し感慨深いものがありました。今度は是非一度の旅行で一周してみたいものです。と、贅沢なことを考える。

ユナイテッドのアメリカーヨーロッパ便に乗ってみて、日本の航空会社のすばらしさが改めて身にしみました。もうすぐサンクスギビングの休暇期間に入るアメリカでは移動する人がたくさんいて、国内便も国際便もすごい人。ダレス空港で信じられないくらいの人が並んでいました。搭乗手続きに時間がかかりましたが、何とか間に合いました。さて、今回の旅行のチケットはインディアナの事務のおばちゃんに手配してもらったのですが、通路席を希望していました。受け取ったチケットを見てみると、28Eと書いてある。Eって、通路席?と思い、チケッティングのときに聴いてみたら、それは通路席だというので、安心していたら、さにあらず。乗ってみれば真ん中の席でした。なんとも腹が立ったのですが、まぁ、仕方がないのであきらめて乗りました。次回からまじめに確認しなければならないようです。なんでこのように思うようにいかないのかなぁ。。。

それ以外の旅行は順調で、チューリッヒでの乗り換えも1時間しかなかったにもかかわらずものすごくすんなり行きました。ミュンヘンの空港から目的地のFRM-IIまでタクシーで向かい、入構の手続きを済ませたのでした。しかし、今日は金曜日、というわけで事務などすべての撤収が早くて、2時ころには担当者がみんな帰ってしまう状況。タクシーでなく電車にしていたら今日中に手続きを済ますことができず、週末原子炉に入れない、ということになるところでした。まずは一安心です。原子炉近くで日本からの共同研究者とも無事落ち合えて、その後はすんなりです。

明日は実験準備で明後日から実験が始まります。FRM-IIは中性子強度が強いと聞いています。しかも今回使う装置はアメリカの研究所にあるもののお姉さん。アメリカにあるのがそれをコピーした妹、というわけで、どの程度性能に差があるのかも見極められるということもあり、実験が楽しみです。実験のネタとしては大変面白いものなので、うまくいけばよい結果が得られるでしょう。

それにしてもここは寒い。今日は雪もちらついていました。明日は本格的に降るかもしれません。写真が取れたら明日以降掲載していきます。

2008年11月19日水曜日

出張前日

朝一番で昨日の実験の片付けを行った。試料容器をきれいに洗って乾燥して元あった場所に戻す。それだけの事だが結構時間がかかる。片付けが終わって部屋に戻ったら、打ち合わせの時間となり、JSGさんと僕の部屋にぞろぞろ人がやって来た。6人で隣の装置での磁場実験の計画について話し合った。話し合ったと言っても、僕は結局少しだけしか発言せず、だいたいは西洋の方々5人で進んで行くのである。渡米当初に比べれば話し合ってる内容に置いて行かれる事はなくなったものの、口を差し挟む余裕は無い。ちょっと口を差し挟んだら、英語をとちって、言い直しになる。言うなれば、ここぞとばかりに喋りだしたら、最初の一言目で噛んでしまい、場がしらけてしまう様な、そんな感じである。ひたすら耐えるのみだ。いずれにせよ、話し合いは無事に終わった。来サイクルの実験時に少し磁場テストをする事になりそうだ。影響が大きくない事を祈るのみ。

午後は、出張準備。パソコンのセットアップ、使ってるパソコンのデータの転送等をした。論文のチェックを依頼していた物が回って来ていたので、目を通した。3編の論文のチェックを依頼しているのだが、そのうちの2編が入れ替わっていたので修正をお願いしに事務室に何度か行ったが担当者が居なかったので明日にペンディングとなってしまった。ドイツ出発日だが飛行機は午後6時なので午前中に終わらせに行く事にする。後はドイツのホテルとか訪問施設の情報とかをプリントしていた。日本から持って来た「地球の歩き方ドイツ」を手に取ってみる。98-99年版なので、相当古い。まだドイツマルクの時代である。でも、きっと参考になるに違いないと思い、一応持って行ってみる事にする。

その他、ボスと出張についての話をしたり、スピンエコーの解析ソフト開発者にソフトの修正のお願いをしたりした。今日は夕方早く撤収した。帰宅後、自宅にあるユーロをチェックしてみたら、予想を大幅に下回る、26.75ユーロしか無かった。到着地でドルをユーロに換金するつもりなのだが、大丈夫だろうか…ん?円からユーロにした方がいいのかな?ちょっと検討する事にする。

SANS実験など

今日も朝からどーーーーーーーっといろんな事が目白押しだった。

まずは、ドイツ出張に持って行く書類を忘れる前に受け取り、ドイツに持って行くパソコンのセットアップを行った。パスワード問題は解決してもらって、最低限必要なソフトのインストール等を実験の合間を縫いながらなんとか夜中には終わらせた。が、実はwindowsは殆ど使った事がないので、パソコンやソフトの使い方がよく分からず、しかも、殆ど英語で説明が書いてあり読むのもおっくうなのでちょっとやばいかも。明日AFさんにいろいろ聞いてみようと思う。

SANS実験は結局11時頃から始める事が出来た。原子炉の停止が23時半だったので、およそ12時間の測定が出来た。測定を開始してすぐに、やはりもう少し別の試料も必要だ、という事に気がつき、ZY君に装置の面倒を見てもらってる隙に試料調整をすませて、なんとか全体の流れに遅れる事無く間に合わせる事が出来た。昼食をかきこんで、測定条件やデータをチェックしながらSANS測定を進めた。予想通り、それらしいシグナルを見つける事が出来、なおかつ、思惑通りの相転移を示している事が分かった。この試料でスピンエコー実験をすれば、何か面白い事がわかるだろうと思われる。また、思っていたよりも測定条件が極限的でもなく、今のスピンエコー装置で十分対応出来る程度の範囲ですむ事も分かった。収穫の多い実験であった。その実験結果を持って、小角の担当者2,3人と話していたら、こういう実験はやっぱx線の方がいいねぇ、という話になり、なんでこの施設のそばにはx線装置がないのか、と聞いた所、「ボスに聞け」と素っ気なく言われた。多分、小角グループの人はSAXSマシンが欲しいのだが、買ってもらえない、という事のようだ。むしろ、その結果をボスに見せてx線が必要だ、と言って欲しいという風に感じた。まぁ、至極もっともだ。

その間に、ZY君の最近の実験結果を説明してもらい、まぁまぁ良さそうな結果である事が分かってほっとした。

ドイツ出張が明後日に迫っている、という事もあり、実験終了後はざっと片付けを行い、帰宅したら今(1時頃)になった。

最近忙しくしてて家族に負担かけてるなぁ、と感じてしまう今日この頃である。結局12月20日頃までなんだかんだと忙しいので、家族サービスはそれからになるなぁと思われる。って、もう11月も下旬なんですね。早いなぁ。

2008年11月17日月曜日

SANS実験と、その準備

BNLから帰って来た翌日の日曜日はDBさんとZY君のSANS実験で、僕も朝から手伝いました。この実験、うまく行かない実験だろうと高をくくっていたのですが、夜中に見に行ってみたら、何でもそれらしいシグナルが見えた、とのこと。朝まで頑張った彼らとは、今日会う事が出来なかったので最終結果がどうなったか知らないが、うまく行っていたらいいなぁ。

今日の朝は車を修理屋に持って行った。またしても、ミニバンが不調で、結局トータル$500くらい修理にかかるらしい。その上、この車いろいろ難点がある様で、全部修理したら数千ドルになりそうだ。困った。

午後から職場に顔を出したら、PBさんが、「ヘイ!お前のSANS実験、今夜だ!」と。無茶ばっかり…状況を話して、明日の朝からにしてもらう。BNL滞在中に届いていた荷物を引き取りに行き、ドイツ出張の為の持ち出しパソコンを借り、それのセットアップをしながら、明日からのSANS実験の準備を始めた。前回のSANS、BNLでのSAXS実験で、だいたい必要な実験については分かっているので、試料の状態を確認しながら、試料調整をした。

部屋に戻って、かり出しパソコンにログインしようと思ったら、アカウントかパスワードが違う、と言われ、入れなくなった。で、コンピュータ担当者に連絡して明日直してもらえるようお願いした。うーん。やっぱりwindowsを借りて行くのは無理があるのだろうか。。。

調整が終わった試料を全部試料セルにつめて、明日の実験は即開始出来る様に準備出来た。

で、今気がついた。ドイツに持って行く、記録資料をもらいに行くのを忘れてしまった。明日は取りに行かなければ…

2008年11月15日土曜日

BNL実験終了

USAXSの測定を夜中まで行い、朝、透過率のチェックをして実験を終了した。車に乗り込み、メリーランドまで走行した。

土曜日の午前中という事で混雑もそれほどひどくないだろう、という訳で、マンハッタンを通過して帰る事に。渋滞は全然と行って良い程無かったのだが、マンハッタンに入る直前に土砂降りの雨。かなり気を使いながらZY君が運転した。マンハッタンを若干走っている間は雨も上がり、久しぶりに少しマンハッタンの町並みを見た。ただし、どこにも立ち寄らず、マンハッタンを通過し、ニュージャージー、ペンシルベニア、メリーランドと走行して研究所まで戻った。帰りは6時間程だった。ペンシルベニアでは晴れていたにもかかわらず、DCに入る手前で、ここでも土砂降りの雨。NYとDCとどちらにも入る所で土砂降り、ってのは、多分かなり貴重な経験なのだろう。こんな事は一生でももう二度と無いかも。

無事に行って帰れて良かった。実験自体はまぁ、良かったのだが、うまく解析出来れば言う事無し。BNLはシカやグースの他に、ターキーもうろうろしていて、相変わらずアメリカの国研は自然が豊かだなぁ、と感じた。

2008年11月14日金曜日

BNL実験二日目

夕べは結局2時頃まで測定して、切り上げた。

この、切り上げた、というのが不思議で、日本だったら、24時間態勢で実験を続けるものなのである。今回は、ZY君が初心者であること、実験を二人で行っていること、などの理由で、切り上げることにした。ちょっと後ろめたさが残るのである。なぜならせっかく生成されているx線を有効に使わないからである。ところが、ここNSLSではあんまり夜中じゅうがんばる人はいない。文化の違いなのだろうか。よくわからない。

それはさておき、今朝8時頃から始めた実験は、結局お昼前に終了し、小角散乱部分の測定は終わった。ZY君はより小角のデータが欲しい、ということで、今度はUSAXSのセッティングに変更して、実験を続けている。測定に時間がかかるので全部のサンプルを行う訳には行かないが、できるだけ測定を続ける。

ところで、久しぶりのx線実験なので、少々感が狂っていたのか、データ解析がうまく行かない。単純にバックグラウンドの引き算をしたいだけなのだが、どうも透過率の値がおかしいようでうまく行かない。日本にいる頃は、こういう場合にどうしたらいいか、ということを周りの人に尋ねたらわかったものなのだが、ここでは聞いてもよくわからない。これは僕の英語力の問題なのか、なんなのか。

結局、TKさんと話をしているうちに何となくわかってきたのだが、それにしても正しい透過率の値を見積もれない、というのは装置として、というか、測定の仕方として行けてない。今回の僕の測定はピークがたくさんあるので、バックを引かなくてもなんとか議論できるのだが、ZY君のデータはそうはいかない。なんとかうまい解決策を見つけなければ。。。

夕食はTKさんのご自宅に招待していただいた。一軒家のありがたみや良さを感じた。引っ越しするとしたら、一軒家がいいのかなぁ、と感じてしまった。

2008年11月13日木曜日

BNL

ただいま、ブルックヘブン国立研究所にある放射光施設でx線小角散乱の実験をしています。この研究所に来るのは通算三回目ですが、実験を行うのは初めてです。ストーニーブルックのTKさんにお願いして、ビーム利用を可能にしてもらいました。13日から15日までの二日間の予定です。

12日にレンタカーを借りてメリーランドを出発し、研究所へ到着。結局運転は一緒に実験するZY君がずっとしました。合計8時間もかかってしまいました。途中で渋滞にはまったり、道を間違えたり。

到着して宿舎に入り、ネットワーク接続を試みたがダメでした。今日の午後になってようやくインターネットに接続できる環境を得ました。

実験ですが、僕の実験は当初難しいだろうと思っていましたが、意外にもすんなりと試料セットができて、ZY君の試料を差し置いて、終わらせてしまいました。求めてたものは出ませんでしたが、確実に近づいた、という感じで、メリーランドに戻ってから中性子を使って最終実験をすれば求めているものが見つかるのではないかと思います。それができれば、12月のスピンエコー実験は予定通り行えそうです。

久しぶりのx線の実験ですが、正直言って、楽しいです。やっぱりたまには中性子以外のものも使わないと。特に僕の今回の実験はどちらかというとx線向きなので、よりやりやすいのでしょう。ここの施設も使いやすいですし、今後ちょいちょい通ってこようかな、という気になりました。

研究所の周りには何にもなくて実験以外にすることはありませんが、楽しく過ごせています。今夜はこれからZY君の実験の1/4を終わらせて宿舎に帰る予定です。

2008年11月11日火曜日

veterans day

今日はベテランの日。国立研究所はお休みです。でも、僕の雇用主インディアナ大は休みではありません。という事で出勤日です。とはいえ、どちらにせよ、明日からの出張準備で出勤の予定だったのですが。

午前中は、BNLでの実験について最終検討し、実は、もう一種類試料があったほうが良い事に気づき、試料調整した。

午後は、MKさんとdiscussion。新しい事を始めるのはなかなか難しい事である。うまく行く事を祈る。

夕方は早めに撤収して、息子の学校で先生と面談。帰宅後出張準備をした。

2008年11月10日月曜日

準備

午前中、週末に取り貯めたスピンエコーデータの解析をする。一通りの解析がほぼ終わったその時である。ソフトウェアが死んだ。その結果、すべての解析結果がなくなってしまった。横で見ていたAFさんがその後を引き継いで(?)一から解析をしてくれた。

午後、明後日から行くSAXS実験およびその後にあるSANS実験の為に、試料調整をした。また、ZY君と実験の打ち合わせを行い、さらに、TKさんとも実験の打ち合わせをしておいた。

スピンエコーは今日からJSGさんが実験を開始する事になった。

2008年11月7日金曜日

レポート

午前中はデータの解析と来週以降の出張についての対応をしていた。

相変わらず、出張等の手続きが遅くていろんな人に迷惑をかけている。人間簡単には変われないものだなぁ、と実感する。

午後は、最近測定していたスピンエコーデータについてレポートを書いた。JSGが週末にレポートを書こうかな、と言っていたので、とりあえず書いたよ、と渡しておいた。多分週末に英語チェックしてくれる事でしょう。

最近の装置のマイナーな頻繁におこるトラブルを解消する為に、NMさんがいろいろ検討して、新しくGPIBコンバータを導入する事にした、ということで、プログラムの変更等を行い、今日新しくインストールした。新しいGPIBコンバータは動作も速い様で気に入った。午後からずっと測定しているがエラーの連絡が来ない。これは問題が解消した、という事かもしれない。週末ずっとテスト測定を続ける。新たに、沢山データも出てくるし、今の装置の問題点を総洗い出しで着ると思われる。

2008年11月6日木曜日

1μs

朝同室のJSGが、メールを見ながら、「うぉぉ〜」と言う。何かなぁ、と思って聞いたら、フランスのスピンエコー装置でとうとう1μsのデータを観測した、というのである。いよいよスピンエコーが本格的に1μsの世界に入る、ということか。それにしても、どんなデータなのか、早く見たいものである。

午前中はスピンエコーデータの解析。ようやく、磁場の影響の全容が分かって来た。結局おかしな振る舞いをしていたのは、試料のせいらしい。磁場は確かに影響あるが、実験を継続する事は可能だ。一つバグもなくなったし、まぁ、収穫はあったのではなかろうか。

KS君の残して行った試料の片付けをした。

午後は来週X線の実験をしに行く研究所のwebトレーニングを受けた。これは、放射線や安全について資料をみてから最後に質問に答える、というもの。資料の量も半端じゃない上、設問も結構難しい。まじめに資料を読まないと答えられない。試験に合格する為にはある程度点数をとらなければならない。結局、一つ目は85点、二つ目は87点でなんとかクリアできた。それにしても難しかった。

それと、来週の実験と再来週のドイツの実験の旅行の手続き等を行った。

また、昨日になるが、波紋の原稿を担当者に送った。1μsの話題も書き加えようかなぁ…

2008年11月5日水曜日

SANS実験

月曜日の夜から火曜日の朝にかけてKS君のSANS実験でした。PBが気を利かしてくれて、半日のビームをくれたのでした。KS君本人は、火曜日のフライトで帰国する事になっていたので、overnight runのセットアップをした後はホテルに戻り、今朝は丁度virginiaから来ているMKさんが同じホテルだという事で、駅まで送ってもらって飛んで帰った事でしょう。実験は朝まで続き、最後の温度の測定がすべての試料については出来なかったけど、まずまずの結果だと思われる。

今日は、というわけで、SANS実験とその片付け(試料の片付けは明日にペンディングしたが)、NSEデータのチェック。

NSEは隣の装置の磁場について調べている訳だが、やっぱり定常磁場がかかっている分には問題ない、というのが結論のようだ。装置の再調整は必要だが、それ以外は影響を与えていないようである。先日得られたおかしなデータについては今の所説明不能。また、このチェックで一点おかしな事があったので、その原因を追及して解決した。昔からあった一つの問題を解決した(はず)、ということで、見つかって良かった。データを見ながらNSE teamメンバーで話し合い、もう少しテストを継続する事にした。

午後はNSEデータとSANSデータの解析を行った。とにかく沢山データがあるので一通りさばいた。夕べが遅かったので今日は早めに撤収した。

夜早めに寝たら、夜中に目が覚めたので、ドイツ行きの手続きを行った。よく分からないけど、多分うまく言ったのだろうと思う。2-3日中にあちらから連絡が来る事を祈る。まだ、インディアナのボスが旅行についての許可を明確にしてくれないので飛行機はそれがもらえ次第行うつもりで下調べは済んだ。

今日はアメリカ大統領選挙、ということで、夜中でもずっと選挙速報を放送している。新しい大統領が良い政策を展開してくれる事を祈るばかりである。

2008年11月1日土曜日

Haloweeeeen

今日はハロウィンの日。早く家に帰って、子供達とカボチャ彫りとか、trick & treatとか、したいなぁ、というわけで、本気で早くお家に帰りたい日。

相変わらず、スピンエコー装置のトラブルシューティング。隣の装置で磁場がかかっている条件で、試料の測定結果が出た。ん?普通じゃん?もちろん磁場の影響はあるので、装置の調整は必要なのだろうが、なんだか、先日見た問題はその磁場の影響ではなさそうな感じ?うーん、悩ましい。

高圧学会誌の原稿は、担当者に送信した。が、返事が来ない。受け取ってないのだろうか。若干不安。うちの研究所の検閲にかける為、ボスやらいろんな人に相談して、読んでもらう人を決める。日本語読める人を捜すのはなかなか大変な事だ。ついでに、波紋の原稿についても投稿はしていないけど、検閲用の読者を決めて、検閲に提出。結局、3本の論文について検閲を依頼した、というのは昨日の話。

さて、MacBook Proのその後はというと。コンピュータをばらしてHDDを取り出してくれたDLさんがとりあえず、メモリを取り外してみた所、普通に動いているようだけど、、、と言って来た。えー?メモリ?そんな馬鹿な、と思いつつ一応引き取って様子を見る事にした。CPUを結構動かす様な計算をさせてみたりしたが、ダウンしない。えー?メモリが悪くてあんなことが起こったのかなぁ?とりあえず、停止するかどうか動かしながら様子を見る事にしているのだが、今の所ダウンしない。すると何ですか?メモリが壊れてた、という結論でしょうか?メモリを買ってもらって追加してみるしかないなぁ。まぁ、動いている事は良い事なのですが、不安は拭えないので、まだ今の所借りてるMacをメインで活用中。でもきっと、MacBook Proに戻る気がする。

そんな中、次のプロポーザルラウンドの申請書き。自分のと、KS君のと。自分のはだいたい終わったけど、KS君のはまだ修正が必要という事で週末に書き直してもらう事にした。それ以外にも、YSさんから申請出す、という話が来たりしたので、内容チェック等をしていた。

そして、問題の装置の動作チェック。結局、これは時間がかかるので、午後6時頃までいろいろ条件を変えながら測定を行い。6時頃over night runをかけて終了。週末は、ZY君に装置を任せて測定をしてもらう事にした。今までの測定の結果、隣の装置の磁場は影響はあるけど、問題のないレベルらしい、という結論に至った。では、あのおかしな現象は何だったのだろうか?それについては結論出ず。

ストーニーブルックのTKさんから電話があり、次回のSAXS実験について少し打ち合わせを行った。その中で、僕の試料の測定はちょっと難しそうだ、という事が分かった。いくつか試料は持って行くが、ZY君の測定がメインになりそうだ。という事は、12月の実験前にSANS実験を行わなければならない、という事になり、少々焦り気味。でも、何とかなりそうな日を見つけたので、後はアメリカならではの、ネゴシエーション、にすべてをかける事になりそうだ。

と、いろいろあった一日であった。夕方帰宅後自宅による事なく、近所の家々を回って子供達がお菓子をもらった。最後に、明日ゴルフに行く知り合いに、借りてるクラブを持って行った。僕も行きたいが、明日は行けない。残念。